人と魔物が戦い、いくつもの身体が地面に倒れている。土煙は火の粉が舞っていた。どこかで火災が起きて、それに対処がしきれていないのだろう。
「こんな…。」
思わずこぼれた嘆きの言葉を隠すようにリュナは自分の口を手で覆った。
また大気を揺らすほどの大きな爆発音が響き爆炎が上がる。
出所は東の塔からのようで二人の視線もそこに釘づけだった。
カルサの表情が歪む。
「今回の襲撃、あいつらの動きを見ていると…目的は俺たちだ。」
カルサは視線をリュナに戻し、不安そうにしている彼女を見た。
「本当の名前、本当の事、あいつらが何を探しているのか分からないが、きっと俺たちに関係している。」
リュナは出しそうになる不安を堪える為に口をかたく閉じてカルサの次の言葉を待つ。
「ここを乗り切るには目的をはっきりさせ、先手を打つ。それしかない。俺はリュナが鍵を持っていると思ってここに来た。」
「レプリカの所に行きましょう。私の知らないこと、きっと知ってるはず。」
カルサが頷く、それに応えるようにリュナも頷いた。事は一刻を争う、リュナが走りだしたのを合図にカルサもそれに続いた。
「あ、でもカルサ!千羅さんは…?」
急に足を止めて振り返るリュナにカルサは首を横に振る。
「千羅が戻ってこないということは…そういう事だ。」
リュナの瞳が大きく開いた。カルサはリュナの横を通り過ぎて前を歩き始める、その姿をすがるような目でリュナは追った。
「リュナ、レプリカはどこにいる?」
「…民の部屋に…自分の怪我を応急処置するように言いました。」
少し放心している様子が見られた。静かに、でも確実に彼女の心は乱れている。
「こんな…。」
思わずこぼれた嘆きの言葉を隠すようにリュナは自分の口を手で覆った。
また大気を揺らすほどの大きな爆発音が響き爆炎が上がる。
出所は東の塔からのようで二人の視線もそこに釘づけだった。
カルサの表情が歪む。
「今回の襲撃、あいつらの動きを見ていると…目的は俺たちだ。」
カルサは視線をリュナに戻し、不安そうにしている彼女を見た。
「本当の名前、本当の事、あいつらが何を探しているのか分からないが、きっと俺たちに関係している。」
リュナは出しそうになる不安を堪える為に口をかたく閉じてカルサの次の言葉を待つ。
「ここを乗り切るには目的をはっきりさせ、先手を打つ。それしかない。俺はリュナが鍵を持っていると思ってここに来た。」
「レプリカの所に行きましょう。私の知らないこと、きっと知ってるはず。」
カルサが頷く、それに応えるようにリュナも頷いた。事は一刻を争う、リュナが走りだしたのを合図にカルサもそれに続いた。
「あ、でもカルサ!千羅さんは…?」
急に足を止めて振り返るリュナにカルサは首を横に振る。
「千羅が戻ってこないということは…そういう事だ。」
リュナの瞳が大きく開いた。カルサはリュナの横を通り過ぎて前を歩き始める、その姿をすがるような目でリュナは追った。
「リュナ、レプリカはどこにいる?」
「…民の部屋に…自分の怪我を応急処置するように言いました。」
少し放心している様子が見られた。静かに、でも確実に彼女の心は乱れている。