強い眼差しと感じるのは彼女の目が輝きを放っているからではない、カルサの胸に突き刺さる無数の棘ごと包むようなリュナの言葉は衝動的にカルサを動かせた。

リュナの腕を掴んで力強く自分の方に引き寄せる。

「因果な…人生だ。」

その声は悲観視ではない少し弾んだもの。

少しは役に立てたのだろうかとリュナは笑みがこぼれカルサの胸に顔を埋めた。

「…はい。お互いに。」

今度はカルサが笑みをこぼす。

これが偽りの姿だとしても選ぶ道を増やしてくれて来たリュナの言葉は幾度となくカルサを救ってきた。

それだけでも十分なほどカルサの心は決まっていたのだ。

「リュナ、受け取って欲しい物がある。」

カルサの声に顔を上げてリュナは促されるように身体を離した。

種火を少し離れた場所に置くと改めてリュナの目の前に立つ、そして懐から千羅から受け取ったばかりの包みを取り出した。

「ある程度伝えて…瑛琳に任せてしまったんだが。」

そう言って受け取るように差し出すとリュナは自分の手に取って包みのままのそれを見つめる。

「開けても…?」

少し頬を赤く染めたリュナの言葉にカルサは頷く。

期待を胸に抱きながら包みを開いていくと、中には装飾品のような物が光っていた。

恐る恐る手にして目と同じ高さまで持ち上げてみる。

「…綺麗。」

耳の形に馴染むように作られた装飾品は耳元で金色の石が揺れ、風に踊るようになっていた。