「そう、貴方はそういう役割を持っているのね。」

陽の光が差し込む部屋の中に作られた空間に彼女たちはいた。

どこが上か下かも分からない空間の中、ナルとラファルは向かい合って座っている。

黄金の毛がわずかに揺れ、ラファルは肯定の意味か静かに頭を下げた。

「本当にそうなってしまうのかしら。」

弱々しいナルの声にラファルが頭をあげる。

「皆探しているのよ…彼女が作ったカラクリ通りにならない部品を。ずっと…。」

そう言うとナルは表情を歪めて目を閉じた。

「未来は変えられるわ。貴方たちこそが未来だもの、彼女は神ではない。…私の思いは届くかしら?」

頷いて欲しい、すがるような思いでナルはラファルに問いかける。

ラファルは立ち上がるとナルへ歩み寄りその身体をすり寄せた。

ラファルの身体を撫でながら彼女は嬉しそうに微笑む。

穏やかで優しい目、ラファルには全て分かっている風だった。

ナルは手を下げて真正面にラファルを見つめる。