「適性やけどな。兵力で言うたらタルッシュのが上や。」

「だな。」

「やけど…仲良かった分置いてかれた気いしとんやろ。」

聖の寂しげな声が貴未の耳にそっと降りてくる。

この特殊部隊には少しずつだが能力のあるものが集まり始めていた。

始まりは僅か片手ほどの人数も今では両手でも足りないくらいになっている。

リュナが風神として入隊したことが影響しているだろう、あの日を境に特殊部隊の認識が広まり問い合わせも増えた。

半数は風神見たさの冷やかしだったが、能力を持ち困惑していた者たちが道筋が出来たと戸を叩くことも多かったのも事実だ。

しかし武術の訓練は出来ても肝心な能力の使い方を教えることが出来なかった。

聖と貴未、紅は能力を使いこなせていた、しかし同じく元々在籍していた兵士は見よう見まねで身に付けていくしかなかったのだ。

それは新たな戦力が入隊した後も変わらなかった。

これではいかん、何とか対策を打たないと。

そう考えていた矢先に体調が回復したリュナが部隊に戻りその状況に気が付いて名乗りでたのだ。