円を描くように広い間隔に並んだ中心辺りにリュナは立ち、声を張り上げた。

普段では出さない大きな声を出すことで自分自身も身を引き締める思いだ。

「習うより慣れろです。まずは掌に力を集めてください。」

そう言って腕をまっすぐ前にだし、リュナは掌に風を生み出した。

他の兵士たちも同様にそれぞれの属性の力を表す。

大小強弱さまざまだが、確かに全員が力を生み出すことに成功した。

その様子を見てリュナは納得するように小さく頷く。

準備は整った。

「大きく、遠慮無しにおもいっきりやってください。」

「はいっ!」

「始め!!」

リュナの声を合図にそれぞれが自分の出せる最大限の力を放出した。

人の加減や状態によって時間に差はあるが、全員の力が最大限出し揃ったとき大気が波打つように揺れる。

聖の方で訓練している側もその揺れを感じて身体を動かされた。

見定めるような聖の視線がリュナたちに向けられる。