「ありがとう。大切にする。」

優しい笑みを浮かべたカルサにリュナ安堵の笑みを浮かべた。

彼は憂いてはいないのだと確かな気持ちを持てる、やはり正直に思いを伝えて良かったと自身に誇りを持った。

「だが、復活したのなら十分に働いてくれ。その成長は大きな戦力になる。」

「はい!お任せ下さい。」

元気のいい声に明るい笑顔、この姿を再び見れたことにカルサはどうしようもない喜びを感じた。

それと同時にここまで復活した理由の可能性を思って気持ちが引き締まる。

「あ、風が変わりましたね。もうすぐ雪が降りそうですよ?」

無邪気に笑うその姿に切なさを感じる日が来るなんて思いもしなかった。

彼女が隠しているようには思えない、それは千羅も瑛琳も頷いていた。

しかし、どこまで本当のことでどこまで欺かれているかなんて誰にも分からないのだ。

当の本人しか知らないのだ。

「…昔聞いた話だが。」

珍しい話始めにリュナは身体ごとカルサの方に向ける。

カルサの言う昔は太古を示すことが多いのだと知った時から、リュナはこの言葉が聞こえた時はどんな状態でも集中するように心がけていた。