今日も明日もその先も見ていたいのだ、しかしもうそれは叶わないかもしれない。

自分にはやるべきことが残されているのに、そこに向かう為に今までずっとやってきたのに死んでも死にきれないじゃないか。

細やかにしか動かないこの身体でも出来ることは必ずある。

沈みきった思考は浮上しリュナの中で大きな光となった。

そして頭はまだまだ働くのだからと考えてリュナはこの飾りを作ることにしたのだ。

「風の力を込めて編みました。私が居なくなった後、すぐかもしれないし何年先かもしれない次の風神に向けての言葉を編み込んであります。」

「言葉?」

怒りを覚えたのだろうか、目を細めるカルサの表情は穏やかなものではなかった。

ある程度想定していた反応が見えたのでリュナは苦笑いしながらも言葉を続ける。

「ここに、風の力を必要としている人がいると。手を貸してほしいと願いを込めました。」

リュナはカルサの手の中にある飾りに掌を向けて小さな旋風をあてた。

その姿、その力、今までとは違うリュナの風の力にカルサは驚きが隠せない。

彼女にこんなことが出来たのだろうか。