「明日の空を見られないかもしれない。そんな言葉が頭を過ったときに何か残さなきゃと作りました。」

今はカルサの手の中にある飾りを見つめて寂しげな表情を浮かべる。

明日の空を。

日に日に弱って動けなくなってしまった自分の身体に何度戸惑っただろう、何度無念に思ったろう。

ベッドに縛り付けられた身体は少しも自分の言うことを聞いてくれなかった。

閉めきられたカーテンの向こうには晴れやかな空が広がっているのに目に映すのが怖い、きっと光に負けてしまう。

窓の外、隙間から見えた青空を目に焼き付けて苦しみながらも涙を流したのだ。

愛しいのに苦しい、怖い、空よりも自分の身体が一番怖い。

自分の身体に一体何が起こったのか分からない、誰も分からないのだ。

治るのかどうかも諦めてしまうのかも判断できない辛さは言葉にならなかった。

いつまでも憂いていたくない、でも弱い心が気力さえも蝕んでいく。

また明日、あの空を見ることが出来るのだろうか。

どんなに身体が辛くなっても、僅かな隙間でいいからあの空を見たい。