想像以上の事態にカルサは厳しい顔をして視線を落とした。

手で顔を覆い耐えきれない現実に苦しむように身体を縮める。

「何故こんな…っ!封印が原因なのか?!」

「いや…術の気配がしないのも確かなこと。光の力を持つ者よ、我が主から魔性の気配がするのだが…。」

社の言葉にカルサは過剰反応した。

勢い良く顔を上げ社を見つめる。

その様子は明らかに動揺していた。

「なんだって?」

信じられないという面持ちでリュナを見たあと、もう一度社に同じ言葉を投げかけた。

「一体どういう事だ?」

社はリュナを見つめたまま黙ってしまった。

カルサの頭の中は有り得ないという言葉でいっぱいになる。

魔性の力をリュナが持っている、それはつまりリュナが魔物であるか、魔物の血をひいているという事だった。

魔性の力を持つ者は基本的には光が溢れる世界では暮らせないといわれている。

人間が住む世界とは違う、空から光が届かない世界に住んでいると伝えられていた。