「少し休んだ方がいい。」

そう言って頭を撫でる手が暖かくリュナを包む。

カルサの言葉に微笑むとすぐに寝息をたて始めた。

明らかに体力も落ちてきている。

「社(やしろ)。」

呼ばれた風の精霊はリュナの身体を光らせ、中から姿を現した。

小さな人型の姿、それは全身でリュナの顔程の大きさしかなかった。

「どうだ?」

カルサの問いに表情を曇らせリュナを見つめる。

少し痩せた彼女の姿は儚さを思わせた。

「我が主は衰弱している…呪の様子は確かにないが…。」

見つめる先のリュナは眠っている。

社は思うところがあるのだろう、リュナを見つめたまま黙ってしまった。

やがてカルサの方に視線を向け重たい口を再び開く。

「私と一体化していないと主はもっと衰弱してしまう。私の力を持ってしての現状だ。」

「社がいなければ生きてはいない…という事か?」

「それほどまでに力を失っている、という事だ。」