それは自分が触れたからだと貴未は頬を緩めてカルサを見る、彼が口の端で少し笑っているのは気のせいじゃないのだ。
「違いないな。」
細やかだが笑い声が響いた。
相変わらず空は高い、冷たく吹き抜ける風は久しぶりに心を踊らせるほど爽やかに駈けていった。
もうすぐ雪が降るのだろう。
身体の芯から冷やすような空気はとても澄んでいて今の二人には心地よい。
気持ちを切り替えて新しい一歩を踏み出すには十分な状態だ。
「俺はもう帰る力を手に入れた。」
貴未が沈黙を破った。
「どこへでも行ける。もうここに居る理由はない。」
貴未の言葉をカルサは黙ったまま聞いていた。
確かにそうだと心の中で呟き、貴未の決意の言葉を静かに待つ。
「ただ、永がいない。」
貴未はカルサと向かい合うように身体を動かし、まっすぐに黄金の双眼を捉えた。
「カルサ、同盟を組もう。」
貴未は手を差し出した。
カルサは静かに視線を動かしてその手を見つめる、そしてもう一度貴未の目を見つめた。
「違いないな。」
細やかだが笑い声が響いた。
相変わらず空は高い、冷たく吹き抜ける風は久しぶりに心を踊らせるほど爽やかに駈けていった。
もうすぐ雪が降るのだろう。
身体の芯から冷やすような空気はとても澄んでいて今の二人には心地よい。
気持ちを切り替えて新しい一歩を踏み出すには十分な状態だ。
「俺はもう帰る力を手に入れた。」
貴未が沈黙を破った。
「どこへでも行ける。もうここに居る理由はない。」
貴未の言葉をカルサは黙ったまま聞いていた。
確かにそうだと心の中で呟き、貴未の決意の言葉を静かに待つ。
「ただ、永がいない。」
貴未はカルサと向かい合うように身体を動かし、まっすぐに黄金の双眼を捉えた。
「カルサ、同盟を組もう。」
貴未は手を差し出した。
カルサは静かに視線を動かしてその手を見つめる、そしてもう一度貴未の目を見つめた。