カルサの指先が僅かに反応したが表情はそのままだった。
「話を聞いただけじゃ分からない…色んな部分を目の当たりにした。」
「…そうだな。」
体勢が変わらないまま続ける貴未にカルサは答える。
「…言葉が…見付からない。」
震える声の次に聞こえてきたのは熱い呼吸と鼻をすする音、それらが教えてくれた答えにカルサは目を大きく開いた。
貴未には気付いたことがある。
千羅の話を聞いたときも、マチェリラの記憶を見たときも、その時は少しも冷静な感覚で捉えることが出来なかった。
話す人物が違えば視点も異なり同じ事実でも差が大きくでてしまう。
現に千羅とマチェリラでは話が異なる部分もあったのだ。
しかし確実に一つだけ同じところがあった。
おそらく他の誰に聞いてもここだけは統一されているであろう場所があった。
それは長年共に過ごした後に過去を聞かされた貴未だからこそ気付けた場所かもしれない。
少し時間が経ってカルサの許へ向かうときに思ったのだ。
カルサの心はどこにいるのだろうと。
「話を聞いただけじゃ分からない…色んな部分を目の当たりにした。」
「…そうだな。」
体勢が変わらないまま続ける貴未にカルサは答える。
「…言葉が…見付からない。」
震える声の次に聞こえてきたのは熱い呼吸と鼻をすする音、それらが教えてくれた答えにカルサは目を大きく開いた。
貴未には気付いたことがある。
千羅の話を聞いたときも、マチェリラの記憶を見たときも、その時は少しも冷静な感覚で捉えることが出来なかった。
話す人物が違えば視点も異なり同じ事実でも差が大きくでてしまう。
現に千羅とマチェリラでは話が異なる部分もあったのだ。
しかし確実に一つだけ同じところがあった。
おそらく他の誰に聞いてもここだけは統一されているであろう場所があった。
それは長年共に過ごした後に過去を聞かされた貴未だからこそ気付けた場所かもしれない。
少し時間が経ってカルサの許へ向かうときに思ったのだ。
カルサの心はどこにいるのだろうと。