明るく振る舞うリュナにカルサは切なさを覚えた。

そっとリュナの手を取り回復魔法をかけ始める。

「気休めにすぎないが…。」

「…ありがとう。」

痛いくらいのカルサの心の叫びが魔法を通してリュナの中に入ってくるようだ。

今、間違いなく彼は自分を責めているに違いない。

「自分を責めないでね。」

カルサの考えることは分かっている、また自分を責めて自分を否定して全てを背負いこもうとしているのだ。

眉間にしわが寄っていた。

リュナが眉間に指をあてると、カルサは恥ずかしそうに笑う。

どことなく切なさが見えてリュナも目を細めた。

「貴方が自分を責めたら…私も自分を責めてしまう。」

リュナは空いている方の手でカルサの頭を撫でた。

安らぎが生まれどちらが癒されているのか分からなくなり、カルサははにかんでしまった。

「…近いうちに総本山に行かなくてはいけないな。」

「私も行くわ。」

「頼もしいよ。」

そう言うとどちらからともなく二人は抱き合った。