「リュナ。」

扉を開けて顔を出すと部屋の主はベッドの上で本を開いていた。

来客の正体に気付いた瞬間、彼にしか見せない笑顔を惜しみなく出して本を閉じる。

「カルサ！お疲れさま、会議は終ったの？」

リュナの笑顔につられてカルサからも笑みがこぼれた。

彼女の傍、ベッドに腰掛け改めて様子を伺う。

「調子はどうだ？」

「まだ身体が重たくて…少し息苦しいの。ほら、天気がいいからかしら？」

「そうか。」

それ以上の言葉が見つからずカルサは微笑むだけで口を閉ざす。

封印から目覚めた、それからずっとリュナの体調はあまり良くなかった。

常に息苦しさを訴えベッドの上で過ごす日々が続いている、それは特に天気の良さに比例して体調が変わっていくのが分かった。

天気がよければ体調は悪く、天気が悪ければ体調は回復するといったようだ。

「術や呪はかかっていないとはナルも言っていたが…。」

「大丈夫、きっと後遺症のようなものだって仰っていたじゃない。」