「マチェリラ？」

「久しぶりね。」

「本当にマチェリラか？何故…まさか貴未が？！」

「貴方の姿形は変わったようだけど…すぐに分かったわ。雰囲気と目はあの時のまま。」

カルサは左手を扉の方に向けて会議室に結界を張った。

心の底から驚いているのだろうが平常心を失ってはいないようだ、しかし表情は素直だった。

「予想外だな。」

何かしら掴んで帰ってくるとは思っていたけど、まさかこんな展開になるとは。

カルサはそう呟きながら背もたれに身体を預け頭を掻いた。

目の前に立つマチェリラは不機嫌そうに視線を動かして部屋の様子を観察している。

「さすがは貴未と言ったところか。白の竜族マチェリラ、太古の国の神官であるお前がまさか貴未と縁があったとはな。」

感心する声にも悪意を感じてマチェリラは口を閉じたままカルサを睨んだ。

昔からにこにこと笑うよりかは高飛車な印象を受けていたが、それは今も変わらないらしい。

しかしそれだけでもないようだ。

言いたい事がある、それを感じ取ったカルサは話すように促した。