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最近、忘れることが増えてきた。
病気の進行を家族に隠すのも、友人に隠すのも精一杯だ。
だから誰も、わたしの病気がほとんど進行してないと思っている。
…東先輩以外は。
「…符和ちゃん、平気?
最近、あたしがフォローすること多くなったよね。
もしかして、病気が…」
「先輩、心配は無用です!」
わたしは明るく笑って見せた。
だけど、言葉とは裏腹に最近メモ帳を買った。
忘れたら見るようにしている。
それに、メモ帳があることを忘れないように、手にメモ帳と書いておいた。
最善は、つくしてる。
なのに、とうとう一ノ瀬先輩の前でやらかしてしまった。