なのに。










「それじゃあ、俊との恋も、俊のことも忘れちゃうってことじゃん…!!

それで、いいの…っ!?」



ドキンッ





いいわけ、ない。


わたしだって、忘れたくない。

でも、若年性アルツハイマーを直す薬なんかない。


病気の進行を遅らせることはできても、完治は望めない。





「いいわけ、ないじゃないですか…」


「じゃあ、告白しなよっ!!

いつ俊のこと忘れてもおかしくないんだよ!?

だったら、さっさと告白しなきゃ!」



「でも、その場でフるって…」



「そんなん、当たって砕けろだよ!

断られても、何回もアタックしよ!! 

応援するから!

最後の恋だもん、成就させなきゃ…ッ!!」



「あはは、なんで先輩がそんな必死になってるんですか。」


「だってだって…っ!!」


ホント、東先輩はいい先輩ですよ。



「告白…してみます!!


まだ一ノ瀬先輩は残ってますかね?」



「早っ!?

行動起こすのはやすぎ!!」


「探してきます!!」


「あっ…俊は3年1組だから!!」


「はいっ!!ありがとうございます!!」


わたしはそう言って駆け出した。