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随分と走ってきてしまった。



「は…はぁ、はぁ…っ」


近くの公園に入り、噴水の所に腰掛ける。


盛大に、ため息をついた。



…周囲の視線が痛い。



なぜならわたしはステージ衣装のまま飛び出してしまったのだから。


その服は、どう見ても公園にはマッチしていない。




(どうしよう…勢いで飛び出してきちゃった。)



どんな顔して戻ったらいいのか、全然分からない。


うぅ~~~~~~~~~~~~…


ホントにどうしよう…!



そう考え込んでいると。


「おー、可愛いカッコしてんじゃーん」


そんな声が頭上からした。




顔を上げると、知らない人三人。



「あの…どちら様でしょうか?」



「ねーねー、なんでんこなとこにいんの?」


「そ、れは…」


わたしがうつむくと、男たちは勘違いしたようだ。



「彼氏にフられちゃったんでしょ?

そんな可愛いカッコまでしたのにねぇ?


俺らが慰めてあげよっか~?」


そう言ってグイグイ腕を引っ張ってくる。



「いた、痛いです…っ!


や、やめてくださ…っ」


ふりほどこうとしても、全然とれない。


もう最悪…!






ギュッ、と目をつむったときだった。