「あっ…あのねっっ!!!!」

ソファーに座るなり、華恋は普段の3倍はあろう声を出した。

「なに?」

罹夢と私はウキウキしながら、華恋の言葉に耳を澄ます。

「さっき、スマホのニュースで…脱走…したって」

はぁ?脱走?

「誰が、どこで?」

罹夢が不思議そうに、華恋に詰め寄る。

「18才の男の子が…、さささ、3丁目の交番から」

みるみる青ざめる華恋の顔に、比例して罹夢と私の顔も青くなる。

「3丁目って…すぐそこじゃない?あの、学校のある3丁目っっ!?交番って
桜木公園前の…あの…?気の良いおじさんがいるぅ!?」

罹夢の目は、今にも目玉こぼれ落ちてきそうに見開かれていた。