スマホとにらめっこ中だった華恋が、顔を上げて


「ヤバいよ…」


静かにそう言って、青ざめた顔で私と罹夢の手を引っ張って、華恋の家に向かって走った。



「あのっ…えっ…ちょっとー」

走っている華恋には、周りの事は見えないし、聞こえないみたい。


『ガチャン』

華恋の家の中に入ると、


「…華恋ちゃんっ!」


罹夢が、おーいと言わんばかりにブラブラと華恋の顔の前で手を振る。