「私も病気なんだ。
廉くんより重いの」


「は?」


私の爆弾発言に廉くんは驚いていた。


「治らないの。
だから治療方法がまだある廉くんが羨ましかった。
本当にごめ…」


「いや、気にしてないから!」


私の言葉は彼によって遮られてしまった。


「え、と…
僕も怒鳴ってごめん。
発症して信じられなくてカッとなった」


そう言って廉くんは目を伏せた。


「じゃあ、2人とも悪かったってことで」


私が笑うと廉くんも笑った。


「もう一度言うけど私、隣の病室だから何かあったらいつでも言ってね」


「うん、ありがとう」


私は視線を廉くんからテーブルに映した。

ベッドに備え付けのテーブルには本が数冊置いてあった。


「あ!」


私は思わず声を出した。


「これ!このミステリー小説!
このシリーズ大好きなの!」


「は?」


「これ、もう販売して無いのだよね?
私、ずっと読みたかったの!」