「わかった。
私はいつでも隣にいるから何でも言ってね?」


そう告げて私は部屋を出た。


『明日もまた来るから。』


その言葉を呑みこんだ。
きっと来るなって言われそうだし。


「幸未?」


背後から声が聞こえた。
振り返るとそこには奏太が立っていた。


「奏太!」


「どうしたんだ?
こんなとこで?」


あぁ、いつもは病室で寝てるからきっと驚いているんだろう。


「ちょっと隣の病室に入院してる人がいるからお話しに」


「そっか。
ってか早く中入ろうぜ」


「そういえば今日ね検査の結果が良かったの。
もしかしたら自宅療養も出来るかも」


ベッドに入り私は今日の検査結果を告げた。


「本当か!?
良かったじゃん!
じゃあ、これお祝い」


そう言って奏太は私の手に何かを置いた。
手を開くと髪飾りが私の手に置かれていた。