「…っ!…マリアっ!」
一人の青年が涙を流しながら、横になっている少女の手を握っている。
青年は少女の名を呼び続ける度に握る力が強まっていく。
「…痛いわ。シュウ……私なら大丈夫。」
「っ…でも…血が…」
「馬鹿ね…私はそう簡単に死なないわよ?」
少女はそう言いながら、血だらけの手で少年の顔の輪郭をなぞると、
「きっと会えるわ…また何処かで…その時はシュウ…今より男っぽくなってるかしら?」
フフッと苦笑いしながら話す少女は段々と息が荒くなっている。
「マリアっ!…」
「相変わらず、はっ…はっ…心配性だ…ね?っ……シュウは…はっ…っはっ…」
少女は両方で少年の顔を支えると
「…愛してる…」
少女はその一言を言えた瞬間、少年の顔から手を離した。