目が覚めてしまった私の隣には、暖かいこの男。
外に目を向けると薄暗く星は消え、月だけが残っている。
寂しそう…と月を見て思った。
「眠れないのか?」
薄っすらと目を開ける暖かい男。
フルフルと首を振るとまた目を閉じてしまった。
この男の名前は『雅-miyabi-』
雅に連れてこられた屋敷を見て、大きすぎて驚いて動けなかった。
私を見て、驚く大勢の人に会釈だけしといた。
「寝ないのか?」
いきなり声をかけられ、心臓が跳ねる。
コクンと頷くと抱きしめられた。
「寝ろ。明日も早い」
雅の温もりに負けて、再び瞳を閉じた。