わたしのおっきな声に、みんなが一斉にこちらを見る。
わっ、やっちゃったぁ!
真琴くんもこっち見てる…
「ごめんなさい!あの、続けて…」
消えちゃいたい思いで真琴くんに謝る。
もっと考えて行動しないとなー。
ちょっぴり反省。
「ねえ!千奈都ちゃんって、坂上くんと知り合いなの?!」
キラキラ目を輝かせて聞いてきたのは紗香ちゃん。
「それは…」
知り合いってゆーか、わたしが一方的に知ってるだけって感じ。
一応喋ったんだけど、真琴くんは覚えてるかわかんないし…
「知り合いってほどじゃないよ…?」
「そっかー。でも噂通りかっこいいねー!」
確かに…
昨日喋ったときは恥ずかしくてあんまり真琴くんの顔をみてなかったけど、こうやってちゃんと見てみるとかっこいいかも。
すこし茶色がかかった瞳はぱっちりしていて大きい。
すっと通った高い鼻も、雪みたいに白い肌も。
全部が整っている顔立ちをしてる。
「わかんないことは教えてあげて、みんな仲良くしてあげてねー」
先生がみんなに呼びかけた。
「はーーい!!」
クラスで目立ってる男子たちが子供のマネをして返事をした。
「坂上、そこの後ろの席座って」
先生が指を指した席わたしの隣の席!
えー!!どうしよう…
昨日会っちゃってるし
さっきおっきな声だしちゃったし
なんか気まずいよ…
「やったじゃん!隣だよ、となり!」
「う、うん…」
紗香ちゃんは嬉しそうだけど
わたしはあんまり乗り気じゃないんだよね…