「かっこいいんだってー!」
後ろの席の早水紗香ちゃんがはなしかけてきた。
「もう知ってるの?」
びっくりして聞くと
「みんな知ってるよー。千奈都ちゃんは来るの遅かったから知らないだけだよ」
「そうだったんだ!かっこいいってことは男の子?」
「みたいだよー?1組の女子が見たんだって。漫画から出てきたみたいに美少年なんだって!」
紗香ちゃんと話していると先生がみんなに声をかけた。
「転校生呼ぶから静かにしろよー?」
みんなも少し緊張してる。
「じゃあ坂上、入ってー。」
先生がドアのそとに呼びかけた。
ガラッ
ひとりの男の子が教室に入ってくる。
とたんに女子たちが騒がしくなった。
もー、みんな面食いなんだから。
ちょっと呆れちゃう。
…ん?
色素の薄いくるくるの天然パーマにすらっとした長身。
どっかでみたことある…?
「サカガミマコトです」
マコト……
先生が黒板にサカガミくんの名前を書いた。
『坂上真琴』…って…
「あーーー!!」
思わず席を立っちゃった。
だってびっくりしたんだもん!
昨日の、路上ライブの彼だったの!