「――そういえば、菜々子。」


「んー?」

2人を待っている間
あたしと千夏は地べたに座り
校舎によって作られた影に身を隠し
夏の暑さをしのいでいたとき。

「山下くんのこと、好きなんでしょ?」

と、いきなり核心に迫る言葉を
投げかけられるものだから

「えっ―――!」


と驚きを隠せずに
千夏のほうを振り向くことになった。



「バレ…て…た…?」
「バレてないと思ったの?」


―…どうやらバレていた…。


「もっとはやく言ってくれればよかったのに」