「―――もう嫌だっ!!」
そう言って持っていた
針金や和紙を投げ出してしまうのは
1つのことに集中できない
このあたし。ただの怠け者。
「俺ももうやだ…」
と、あたしの隣で
げんなりとて弱音を吐くのは
いつもは完璧な紳士者のシュン。
「時間ないんだからみんな頑張ってよ!」
と、期限に恐れ、ピリピリしているのは
芯の通っているしっかり者、千夏。
「――……。」
みんなの言葉を聞きながらも
手を止めず黙々と作業をするのは
マイペースで無口な努力者、山下くん。
あたしたちを含めた行灯係りは
夏の暑さの中、外にでてがんばってます。
「…休憩しましょうか。」
そう言った行灯係りの委員長が
天使に見てえ。
「「はぁ〜」」
と盛大なため息を堪えきれない怠け者と紳士者。
「大貴、飲みモン買いにいこ」
とシュンは重い腰をあげ、
ポケットにある財布を握りしめた。
それに文句1つ言わず、しかも
「川田さんたちは…何飲む…?」
と気配り100点満点な山下くんに
「ポ○リー!!」
と元気に叫び、手を振って2人を見送った――。