―――バチッ
ドキッ―――…
山下くんと目が合ってしまった。
うわぁ…あたし重症…。
「ん?大丈夫?杏子」
「うっうん、大丈夫!」
危ない危ない…
山下くんの眼差しで眩暈を起こすところだった…
「大貴は?お前も行灯?」
シュンに呼ばれて来た山下くんは
「あぁー…春太がそうなら…」
と実にどっちでもいいような良い姿を見せた。
「よし、決まりな」
そうしてあたしたち4人はみんな同じ行灯係りになったんだ。
ここであたしと山下くんは急速に仲が深まることになる。
あの時話した言葉と山下くんの表情が
いつになく神妙で、深刻だから。
一瞬の出来事がこんなにも
あたしの中を占領してしまうなんて―――
誰が予想できたのだろう。