「今回はうまくいくといいね」

優しい笑顔で優しい口調で話す菜々子。


「‥ありがとう‥うぅ」

何度も何度も恋愛に失敗して
毎回菜々子をがっかりさせているのに

それでもまたあたしの幸せを願ってくれている菜々子に、涙がでそうだった‥。いい奴‥。



「はいはい。‥たしか山下はスピスケやってたような‥」


「スピスケ!?スピードスケート!?」


「そうそう。しかも全国レベルとか」


「ええーーー!!」



シーン‥
あたしの声が大きすぎていっきに1組が静まり返った。


「あ‥」
「ばかっ!!」


「‥ごめぇん」

菜々子の耳元でこっそり囁く。

「――んで?」

杏子はこれからどうするの?とあたしに問いかけ‥うーん、まずは‥


「メアドをゲットしたいです」