「──‥じゃ」

そう言ってまるで神風のように
一瞬で山下大貴は横をすり抜けていった。


「‥。」

山下大貴が去った後、ドキドキ‥という、おかしな胸の高鳴りをわずかに感じながら、あたしは棒のように突っ立っている。


え‥
うそでしょう‥


確かにあたしは漫画大好きだし(特に少女漫画)

こんな些細な出来事で恋に落ちるとかなんとか‥

はぁ?ありえないーとか言って、本当に漫画の世界だけだと思っていたのに‥



「やばい‥」


あたしは漫画の世界同様──

一瞬の出来事で一瞬で山下大貴に心を奪われたようです。