「あ。舞依、あれ見て」



「んー?」



響が指差した方向に視線を……



「スキあり!」



「ひゃっ!」



…………あれ見て、って言ってキス、いうやつに見事に自分が引っ掛かるなんて思わなかった。



てゆうか、私は道端でキスするような人だと思わなかった、自分でも。



私は人前でキスできるようなタイプじゃないから。



人、いないけど。



「さーってと!早く帰っていちゃいちゃするぞー!」



"おー!"なんて言うとでも思ったか!



「変なこと大声で叫ばないでよ!」