ふにゃっと笑う響を見て涙腺がゆるむ。



「……ありがと……でも、気をつけてよ」



「…逃げようと思えば逃げれたさ」



「もうっ……」



「さてと、帰るか」



突然起き上がる響。



「え?」



「別にただの刺し傷だから入院するほどでもないだろう、って先生が」



「よかったぁっ……じゃあ早く帰ろ」



手ぶらの響は立ち上がると少し伸びて私の手をとる。



「俺の料理食った?」



「あ、まだ食べてない」



それどころじゃなかったし。



「は?熱いうちに食べてあげなきゃダメだろ」