ぼんやりと外を見ながら響は呟く。



「舞依に前に水ぶっかけたのも、電車ん中で服破ったのも……あいつだった。前の部屋でなんか物が動いたりしてたのもあいつだった」



「え……?」



「あの変態、俺のことストーカーしてやがった……」



あの変態……?



誰のことなのかさっぱり……



「……でも、刺されたのが舞依じゃなくてよかった」



「よくないよ!怪我してるんだよ?」



「刺されたのが俺で本当によかった」



初めて響がこっちに振りかえる。



「舞依が無事なら、それでいい」