血が付くなんて気にしてないのに。



「っ……はぁ」



「……痛い?やっぱり救急車、呼ばなくちゃ」



「痛くない……」



ケータイを取り出した私の腕を響が掴んだ。



「舞依」



「ひゃあっ」



胸ぐら掴まれるとか何事!?



「ごめんなさいごめんなさいっ」



胸の前で両手をブンブン振りながらついでに首もブンブン振る。



「…………だっせぇ……舞依が帰ってくる前に、治そうと思ったのに……」



「刺し傷がそんなに早く治るわけないでしょ…」



胸ぐら掴まれたまま引き寄せられてゆっくり唇が重なる。