「俺は舞依のこと、よく知ってる…最近俺のこと、名前で呼ばないことも、もちろん知ってる……」



…………それは……



「馴れ馴れしく呼ぶなって、言ったから呼ばなかったんだよ……」



なんで、なんで笑ってられるの……?



「ねぇ響っ…」



「好きだって言ってんのに、そんなこと、考えてたのかよ」



「………………あっ、ちょっと待って」



そんなに抱き締められたら……



私のお腹がナイフ当たってもっと深く刺さっちゃうからっ……



「……なんで離れんだ…………あぁ、血か」



「そんなことは気にしてないよ」