「気にしなくていいのに」



「あげたかったからいいの!似合うと思ったし」



やっぱり、呼ばない。



「舞依、もう一回付き合ってもらえる?」



「え?……っきゃ」



腕の中に収まってた舞依を抱き上げて寝室に戻った。



俺も一時期舞依を名前で呼ばなかったけど、それってこんなに辛いんだな。



好きな人には呼んでほしいよな、名前。



「ごめんな」



「なに?」



「ごめん」



「なんで謝るの?」



「こっちの事情」



「……ふーん?」



「ま、気にしないで黙って俺だけ見てなよ」



「……うん」