「!!」



その言葉に、俺は思わずその場に固まる。



俺と茉友ちゃんが釣り合ってない?



いやいやふざけんなよ。確かに俺は茉友ちゃんとは口封じのために付き合ってるけど…。



……けど?



「…、」




完全に黙り込む俺を見て、田中先生は俺の向かいのソファーに座ると、真顔で俺の顔を覗き込んできた。

…上目遣いで。




「!」




言われてみれば、タイプが違う俺と茉友ちゃん。



釣り合ってない。

確かにそうかもしれない。


でも、何だろう。


それを人に言われると、何かムカつく。




「…ほっといてください」



俺が低めの声でそう言うと、田中先生の肩がビク、と反応したのがわかった。




「わざわざ呼び出しといて何かと思えば、そんなくだらない話ですか」

「…」

「…俺教室戻ります」




そう言って素早く椅子から立ち上がると、田中先生が俺を呼び止めようとしていたけど…




「失礼しました」




俺はそう言って、半ば強引にその場を後にした。