星河先輩 side
田中先生にまた呼ばれて、ついて行くとそこは他に誰もいない進路指導室だった。
げ…また進路の話かよ。
そう思って内心ぐったりしていたけど、田中先生は以外にも違うことを話し出した。
「星河くんさ、」
「はい」
「2年生の夏野さんと付き合ってるんだって?」
田中先生は俺にそう聞きながら、部屋の隅でコーヒーを淹れる。
そんな田中先生の問いに一瞬俺は普通に返事をしかけたけど、ビックリして変な声を出してしまった。
「は…え、へっ!?」
そう言って、思わず目を丸くして田中先生を見る。
すると田中先生は淹れたコーヒーを俺に差し出して、話をつづけた。
「はい、」
「あ、どーも…」
「昨日はその話、聞きそびれちゃったけどさ、んー…ぶっちゃけ、
やめといた方がいいんじゃない?」
「え…」
田中先生はそう言うと、悪気のない笑顔で俺を見る。
その顔はやっぱり可愛い。…けど、小悪魔な顔だ。
って、何で教師の田中先生にそんなこと言われなきゃいけないんだよ!
そう思って反抗しようとしたら、田中先生はそれを遮るようにまた言った。
「こんなこと言うのも何だけど、はっきり言って、
釣り合ってないよ?」