菊池君…。
キミは、いつもそのままだったら本当にいい奴なのに。
「…菊池君ってずるいよね」
俺がそう言ったら、菊池君は、
「何が?」
って、とぼけたようにそう言った。
ほら、すぐそうやってはぐらかす。
「なんでもないよ」
だからそう言ってやれば、菊池君は「そう?」って席を立った。
「え、何処行くの」
突然立ち上がるからびっくりして俺がそう言えば、菊池君は、
「隣のクラス行ってくる」
って言う。
…でも、きっと「友達」のところじゃない。
またどーせ「女の子」のところに行くんだ。
「…すぐ戻ってきてよ」
俺が堪らずにそう言うと、菊池君は「友希は俺の彼女かよ」って笑った。
「…あいにく俺は男を優先したりしないから、」
そして菊池君はそう言って、俺を残して教室を後にしてしまう。
あー、つまんねぇー。