星河先輩 side



昼休み。

俺の前の席で携帯ゲームをしている菊池くんに、俺はなんとなく聞いてみた。



「ねぇ、菊池くん」

「なに?」

「菊池君は、進路ってもう決まった?」



俺がそう聞くと、菊池君は「決めてあるよ」って即答する。


え、すげーな。もう行きたいとことか決まってんのか。



「マジかよ菊池くん…」

「うん、マジ」



そんな俺は「就職したい」としか思ってないのに。

(とりあえず楽なところがいい。って、そんなのないか)


俺がそう言って頭を抱えると、菊池君が笑って言う。



「だーいじょうぶだよ、まだ3年になったばっかの春だし、考える時間はあるって」

「そうかな…」



菊池君はそう言ってくれるけど、何だか不安だ。


俺はちゃんと就職できるのかな?

ってかちゃんと決められるかな?

っつーかそれよりも、就職できたとしてもとんでもないミスやらかして、みんなに迷惑かけちゃったりしないかな!?


…何だかそればっか考えてしまう。



「ちなみに、菊池君は何処行くつもりなの?」



俺がそう聞いたら、菊池君は携帯をポケットにしまいながら言った。



「…美容専門学校、」