「やめてあげなよ、」




「!?」




なんと、ついさっき佐伯さんを助けに行くのを嫌がっていた他の女子達(高井さんの仲間達)が、

クラスの女子ほとんどを連れてトイレに来てくれた。


高井さんの仲間の一人がそう言うと、佐伯さんをイジメていた女子から無理矢理ホースを奪い取り、

それを何の躊躇いもなくそいつにかける。



「ぶっ…」

「カッコ悪いよ、そういうの」



そしてそう言うと、もう立場がなくなったイジメッコ達は、ばつの悪そうに女子トイレを後にした。



…と、とりあえず、助かったのかな…。



あたしがそう安心していると、佐伯さんが泣きながら言った。




「ありがとう…みんな、」




そう言って、その時傍に駆け寄ってきてくれた高井さんに抱き付いてわんわん泣く。



「…」






…確かに一件落着したっぽいけど、なんか複雑。


あたしは、全く成長していないみたい。




みんなが仲良くしている後ろであたしはそう思うと、何だか悲しくなってそっと女子トイレを後にしたのだった。