星河先輩 side
心の中がモヤモヤする。
あー、まだすっきりしない。
茉友ちゃんが帰って数分後、俺は家を出て菊池君の家に向かった。
「菊池君、」
インターホンを押すと、菊池君の声が聞こえてきたからそう呟いてみる。
…名前なんて言わなくてもわかるだろう。
そしたらやっぱり菊池君は俺だと気づいてくれたみたいで、
「友希、どうしたの」
って、ドアを開けるなりそう聞いてくれた。
「え、ってか、茉友ちゃんとデートなんじゃないの?」
そして菊池君がそう付け足して聞いてくるから、俺は「ううん」と首を横に振る。
「…それはもう終わった」
「え、早くない?だってまだ18時…」
「いいから、ちょっと話聞いてよ」
「?」
俺がそう言うと、菊池君は頭の上に?マークを浮かべて家の外に出た。
「…え、上がっていいよ。っていう展開なんじゃないの?」
まさかの菊池君の行動に俺がショックを受けてそう言えば、菊池君は
「だって今姉貴の友達が勢ぞろいしてて、」
って顔をしかめた。
あぁ、確かにそれはとんでもなく恐ろしい。