あたし、星河先輩なら大丈夫かも…。
そう思うけれどまさかそれを口に出来ず、あたしは素直に星河先輩からちょっと離れた。
あー、なんだか自分でももどかしい。
そして、ケーキを食べ終わった後しばらく続く沈黙。
…何話そうかな。
そう考えていたら、ふいに星河先輩が言った。
「…茉友ちゃんってさ」
「はい?」
「意外とオシャレなんだね」
星河先輩はそう言うと、また少し照れたように笑う。
オシャレ、なんて初めて言われた。凄くうれしい。
だけどこれはあたしが全部選んだわけじゃなくて…。
「これは、違うんですよ」
「え、」
「あたしがコーディネートしたんじゃないんです、」
そう言うと、星河先輩は不思議そうにあたしを見た。
「え、じゃあどうしたのそれ?」
その問いかけに、あたしは何も考えずに素直に言った。
「菊池先輩が選んでくださったんです」
「!」
「…デートの服とか、あたしわからなくて…」
そう言って、星河先輩の方を見ずに苦笑いを浮かべる。