そしてしばらく二人でもくもくとケーキを食べていたけど、あたしはふと星河先輩にあることを問いかけた。



「あ、星河先輩」

「うん?」

「星河先輩の、親の人ってお家に今いらっしゃるんですか?」



ドキドキしながらそう聞いたら、意外にも星河先輩ははっきり言った。



「いないよ」

「!」

「今、家にいんのは俺と茉友ちゃんの、ふた…り…」

「?」



だけど、そう答える星河先輩の声がだんだん小さくなっていく。

あたしがそんな星河先輩に、どうしたんだろう?と首を傾げていたら、星河先輩は突如何故かあたしから少し離れてしまった。



「え、せ、先輩?」



そう言って星河先輩に「どうしたんですか?」って聞こうとしたら、星河先輩がそれを遮るように言う。



「こ、来ないで茉友ちゃん!」

「!」



え、何で!?



「今、茉友ちゃんは自分がどんな状況に置かれてるかわかってるの!?」

「へ…」



どんな状況って…?



「…どういうことですか?」



星河先輩の言ってる意味が、イマイチよくわからない。

そう思ってまた首を傾げていたら、星河先輩が言葉を続けて言った。




「わっ若い男女が、こんなところで二人きりなんだよ!?アブナイじゃん!」