「!」
あたしの、おかげ…?
そう言われた瞬間、心の底から嬉しさが沸々とわいてきて、
あたしも笑顔で「いえ、いいんですよ!」って言ったら、
佐伯さんはバッとあたしから視線を外して言った。
「べ、別に…感謝してるのは今回だけよ!
あんたが星河先輩と付き合ってることは、まだ許したわけじゃないから!」
佐伯さんは慌てたようにしてそう言うと、一足先に屋上を後にした。
「あ、佐伯さんっ…」
…っと、行っちゃった。。。
でも、クラスメイトからこんなふうに感謝されたのは初めてだな。
そう思うとなんだか嬉しくて、また笑顔が自然とこみ上げてくる。
こんなあたしでも、誰かの役に立てた。
やりましたよ、星河先輩。菊池先輩。
よかった、別れずに済んで。
あたしはそう思って伸びをすると、佐伯さんの後に続いて屋上を後にした。