「いらっしゃいませー」
そこに入った途端、女の店員さんにそう声をかけられる。
実はファッションにさらさら興味がないあたしは、
星河先輩とのデートに着ていく服があまりないため、こうやって見に来たんだけど…。
そもそも独りでブティックに入るなんてことは全くないから、
何だか凄く恥ずかしいし、何を着たらいいのか全くわからない。
「どんなものをお探しですか?」
そんなことを思いながらビクビクしていたら、そのうち店員さんにそう声をかけられた。
「あ、あのっ…いえ、何でもないんですっ…!」
「?」
まさか声をかけられるとは思ってもみず、あたしは挙動不審になりながらそう言うと、逃げるようにしてその店を後にした。
はぁ…ビックリした、
ってか、デートの服どうしよう…。
…そう思っていた時だった。
「茉友ちゃん?」
「!!」