え…
「ほ、星河先輩の家、ですか?」
「うん、」
行ってもいいの!?
「い、行きたいです!」
あたしが思わず目をキラキラさせて言うと、星河先輩が「行きたいんだ」ってちょっと笑う。
「!」
うわ、ちょっと正直に言い過ぎたかな。
だけど星河先輩は笑顔で、どこか安心しているように見える。
…と、思ったら…
「良かった~。茉友ちゃんがそう言ってくれて俺安心したよ」
なんて、前にもどこかで聞いたことのある言葉を、星河先輩がまた発した。
「…え、」
何か…嫌な予感。
そう思っていたら、星河先輩が言葉を続けて言った。
「俺ね、昨日あれから考えたの。茉友ちゃんとの初デート、どこ行くかなぁって」
「は、はい…」
「そしたら映画館とかカラオケより、最もいい場所を思いついたわけ!」
「そ、それが星河先輩の家なんですね…」
「うん。だってそこだと俺歩かなくていいし、確実に楽じゃん」
星河先輩はそう言うと、憎いくらい爽やかにニッコリ笑った。
やっぱりそういう魂胆だったのか!