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茉友 side



放課後。いつものように星河先輩の教室に行くと、

今日は先輩はちゃんとそこにいた。



「友希、彼女が迎えに来たよ」



そして入り口のすぐ近くにいた女子生徒の先輩が星河先輩にそう言って呼んでくれたけど、

あらためて「彼女」って聞くと恥ずかしくなる。

あぁ、あたし、本当の本当の本当に星河先輩の彼女なんだ。

…なんて、独りで舞い上がっちゃったりなんかして。


その先輩がからかうようにそう言うと、星河先輩は若干顔を赤くしながらも傍に来てくれた。




「じゃ、帰ろ。茉友ちゃん」

「はい、」



ってか、さっきあの人星河先輩のこと「友希」って呼んだけど。

ちょっと、羨ましいな。



そんなことを思いながら星河先輩と歩いていたら、星河先輩が何気なくあたしに言った。




「あ、そうだ茉友ちゃん」

「はい?」

「週末の…デ、デートのこと、なんだけど…」




星河先輩はそう言うと、チラリとあたしを見る。

相変わらずの赤い顔にあたしまでドキドキしながらも、「なんですか?」って聞いたら、

星河先輩が言った。




「俺の家、おいでよ」