グンジはいつも思っていた。理理子は何故、自分達の問題に第三者を介入させて、面倒な事にするのか・・・

「理理子、俺はお前の事をしっかり考えているし、お前のお兄さんの言ってるような事はないよ。」
グンジは少しあきれたように言って溜め息をついた。
「は?じゃあお兄ちゃんの言う事が間違ってるってわけ?」
理理子は動揺と共に怒りだした。すぐさまケータイを手にした。

「もしもし、お兄ちゃん?ちょっとね、今グンジに怒られちゃったよ。」
泣きそうな声で理理子は兄に電話している。

グンジは面倒な事になってきたと思って、その場から理理子を置いて立ち去ろうとした。

「ちょっと待ってよ!グンジ!どこいくのよ!」
理理子の怒りに震えた声が廊下に響き渡った。